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2023年 5月14日
主日礼拝

説教
「植える者と水を注ぐ者」

コリント人への手紙 第一 3:4~9

3:4 ある人は「私はパウロにつく」と言い、別の人は「私はアポロに」と言っているのであれば、あなたがたは、ただの人ではありませんか。
3:5 アポロとは何なのでしょう。パウロとは何なのでしょう。あなたがたが信じるために用いられた奉仕者であって、主がそれぞれに与えられたとおりのことをしたのです。
3:6 私が植えて、アポロが水を注ぎました。しかし、成長させたのは神です。
3:7 ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。
3:8 植える者と水を注ぐ者は一つとなって働き、それぞれ自分の労苦に応じて自分の報酬を受けるのです。
3:9 私たちは神のために働く同労者であり、あなたがたは神の畑、神の建物です。

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後日Up予定
当日の説教
なし 事前録音分


説教要旨


1. コリント教会はどんな教会ですか
コリントはギリシャで最も活発な商業の中心地であり、国際的な都市でした。 良い地理的条件を備えているから陸路と水路で商業上の交通が頻繁なところであり、繁盛した港町でした。 様々な民族と人種が集まって暮らしていたため、各所から持ち込んだ偶像も多く、生活は贅沢で倫理的には放蕩な生活を送る人が多かったです。 このようなところにパウロは伝道して教会を建てました。(行18:1-8) この時、プリスキラとアグラという頼もしい人たちに会いました。 また、そこに住んでいるユダヤ人の迫害を避けてテテオ ? ユストの家に1年6ヶ月滞在しながら福音を伝えました。 それでコリント教会に対して「私は植えた」と言うことになるのです。 コリント教会を離れた使徒パウロは、第3次伝道旅行中にエペソに3年間滞在しながら第一コリント人への手紙を執筆し、コリント教会の信徒たちが持っている様々な問題に対する具体的な教えを伝えようとしました。
なぜならコリント教会は様々な問題を持っていたからです。 性的な乱れと正しくない禁欲主義の問題、偶像にささげた食べ物に対する論争と聖徒の間の争いを世の中の法廷にまで持っていく問題、聖餐の典礼の時、金持ちたちは彼らが持ってきた食べ物をお腹いっぱい食べて貧しい人々は飢えるなどの問題、分別のない霊的賜物の乱発による無秩序な礼拝問題など教会内で大小の問題が起きてコリンド教会を難しくしていました。 パウロはクロエの家の者がコリントに行ってきて伝える話を通じてコリント教会に色々な問題があるという知らせを聞きました。 またコリント教会からも自分たちの問題についてパウロの意見を聞く手紙も送ってきたようです。 ですから、パウロはこれらの問題について実際的な答えと教訓を伝えるためにこの手紙を書くことを余儀なくされたのでしょう

2. コリント教会の紛争に関する使徒パウロの教え
特にコリント教会の最大の問題は信徒たち間の紛争と派閥意識でした。 信徒たちの間ではパウロ派、アポロ派、キリスト派に分裂しました。
1)この問題について、使徒パウロはキリストの名前で一つになれと教えています。
さて、兄弟たち、私たちの主イエス・キリストの名によって、あなたがたにお願いします。どうか皆が語ることを一つにして、仲間割れせず、同じ心、同じ考えで一致してください。(Ⅰコリント1:10)
どんな集まりでも同じ思いで 一丸となることが大切です。そうでなければ、その集まりはなくなるからです。 特にサッカーや野球のようなチームで試合するスポーツは個人の能力も重要ですが、チームがどれほどコミュニケーションをよくし、お互いに信頼するかが勝敗を決めることもなります。 まして、主の教会が一つになることは言うまでもなく重要です。教会は一人一人の集まりではなく、キリストの体でそれ自体が一つだからです。 違う心でお互いに分裂すると、キリストの体を引き裂くことになります。 これはサタンが望む結果であり、そのためにあらゆる偽りの言葉で私たちの心を刺激します。 このような誘惑があるたびに、この聖書の教えを覚えて祈ってください。 もちろん一人一人の考えが違って心が違うので、無条件に従順だとか自分の意思を捨てろという意味ではありません。 少し長くて時間がかかっても一緒に話しながら皆の理解をふくめいくのが教会が心を一つにする道になるでしょう。 日本では会議も多くて長いです。 しかし、皆が同じ気持ちで結論を導いていく日本の会議の方式が聖書が教会に与える教えにもう少し近いと思われます。

2)そして、私たちは皆、神様の同労者であると教えられています。
使徒パウロを用いられた神様の働きの特徴は教会を開拓し、その教会に指導者を立ててすぐ次に伝道する所へ行く方式です。 それでコリント教会も使徒パウロが建てて他の所へ行きました。 使徒パウロの空席をアポロという人物が教会のリーダーになって聖書を教えながら聖徒たちを世話しました。 参考文献を探してみますと、アポロは当時世界の図書館と呼ばれる北部アフリカのアレクサンドリアで生まれ育ち、弁証学、論理学、修辞学などを兼ね備えた優れた学者だったそうです。 それに聖書をとてもよく知っていて、よく教えて彼に従う人が多かったそうです。 彼がコリント教会で尊敬されるに値する理由です。 しかしコリント教会を建てた初期のパウロの影響を受けた聖徒たちと聖書の教えに優れたアポロの影響を受けた聖徒たちとの間で教会内に主導権争いが始まりました。 これを見守っていた人々が自分たちをキリスト派と呼び、また別の集まりを作ることになります。
クロエの家の人々が使徒パウロを訪ねてきて、自分たちの教会の問題について悩みながら使徒パウロに話相談したはずです。 そして使徒パウロは手紙を通じて、自分とアポロは神様の同労者として役割が違うだけで、皆が同僚に過ぎないと教えてくれました。 今日、私たちが読んだ聖書箇所です。
これは、主の働きをする人たちは互いに働く内容が違うだけで、誰がより良いことをして誰がより低いことをするのではないということです。 最も重要なことは成長させる方は神様であるということです。 実はすべてのことは神様のみわざです。私たちがいなくても神様の働きは可能です。 しかし、神様は私たちと働くことを喜び、私たちを通じて神様の働きがなされていくことを願っています。 夕食にのり巻きを作る時、お母さんを手伝いに来た子供に海苔とご飯を預ける時はどうですか。 下手でのり巻きも壊れますが、その壊れたのり巻きを家族と一緒に食べる夕食の時間は幸せでしょう。 神様が私たちに向けた心はこのようなものでしょう。 もちろん、私たちは子供よりも神の働きをうまくこなすでしょう。

3. それでは、私たちの教会はコリント教会からどのような事を学ぶことができるのでしょうか。
1)それぞれの人を尊重し、お互いに感謝する
7.ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。
私たちは皆、神様の同労者としてそれぞれに呼ばれました。 牧師は牧として、長老は長老として 、執事は執事としてに呼ばれました。 各自が受けた賜物と才能でお互いに仕え、神様の働きに用られることになるでしょう。 ですからお互いの奉仕がどれほど貴重なことでしょうか。 パウロが新しい始まりのために献身した人なら、アポロは育て、しっかりと建てられていくようにした人です。

2) どのように植え、どうやって水をやるかを考えること
使徒パウロが苦労して開拓し植えたコリント教会は、アポロの優れた聖書の知識と教えで霊的な賜物も多く才能も多い教会になりました。 使徒パウロとアポロが植えて水を注ぎ神様が成長させるにしたのです。 それで私たちは私たちの教会のためにまた私たち自身のためにどのように植えて水を注ぐかを考えながら祈るならば神様の実を結んでいくことができるでしょう。 今日一日のために祈り、神様の御言葉で私自分自身の心の畑に植えて水を注げば、今日読んだ神様の御言葉を通して祈りの応答が人生に実るでしょう。 そして私たちの教会もまた、私たちがどんな心で植え、また水をやるかによって、それに見合った実を結んでいきます。 今私たちが享受しているこの教会の恵みは、皆がその昔から祈って植えた実だからです。

3) 神様が私たちのすべてのことを導いてくださるということを学ぶことができます。
当然、このすべてのことを導いてくださる方は神様です。 信じますか。それなら毎日私たちは神さまの働きを願って期待することができます。神様が私たちを成長させてくださるからです。
8. 植える者と水を注ぐ者は一つとなって働き、それぞれ自分の労苦に応じて自分の報酬を受けるのです。
小さな存在であるしかない私たちに神様は賞を与えて励ましてくださるお方です。
9. 私たちは神のために働く同労者であり、あなたがたは神の畑、神の建物です。
罪人である私たちを神様の同労者と呼んで下さり、共にして下さることに感謝します。

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